はい。こんにちは。ちゃんこです。
ということで始まりました!
教えて!ちゃんこ先生!
本日はその第1回として
赤とんぼ
についてお話します!
まずは、聞いていただきましょう。
改めて歌うと息継ぎのタイミング、子音の発音の仕方など、難しい曲です。
上手く出来なくて妥協の一本です(´;ω;`)
そんな曲を今回は歌曲を楽しむうえでの基本的なこと。
歌詞の意味と時代背景を理解して日本歌曲を楽しむ
という観点からお話いたします!
この上で実際に歌ったり聞いたりしてみると違ってくると思います!
作詞・作曲者について
まずは、歌詞の意味を理解する前に、作詞をした人の事、作曲をした人の事を理解していきます。ちゃんこは歴史は苦手ですが、ここをしっかりと理解することで、曲の背景とか情景が浮かぶようになったので、今でも新しい曲を見た時調べるようにしています。覚えるんじゃなくて、頭で理解することが大事で、何かメモを取っておくだけでも全然違うと思います!
【作詞者】三木露風
三木露風(1889~1964)は兵庫県生まれの詩人です。本名は三木 操(みきみさお)と言います。三木露風はペンネームなんですよね。
5歳の時に両親が離婚、祖父(おそらく母方)に引き取られ育てられたそうです。この時の思い出が赤とんぼの歌詞に反映されていると思われます。
1916年から1924年まで北海道の上磯町(現在の北斗市)のトラピスト修道院で文学講師を務めました。赤とんぼは、この北海道滞在中の1921年に、故郷である兵庫県揖保郡龍野町(現在のたつの市)で過ごした子供の頃の郷愁から作った詩と言われています。
ここから想像するに、北海道という地は内地に比べ、海という壁があったので、凄い遠い世界に行くという感覚だったんでしょう。
今では観光地となっている北海道ですが、当時の事を考えると本当に遠い場所だったんだな、としみじみ思います。
【作曲者】山田耕筰
山田耕筰(1886~1965)は東京都生まれの作曲家、指揮者です。1908年に東京音楽学校(現在の東京藝術大学)の声楽科を卒業し、2年後の1910年にドイツのベルリンで作曲や音楽理論を学びました。
日本語の抑揚を生かしたメロディーを作る方で、「この道」や「さくら さくら」など、数多くの日本歌曲の作曲をしています。また、歌曲を約1600曲(編曲も含む)作曲したと言われており、日本歌曲の歴史においても多くの業績を残しています。
1927年に三木露風の詩に曲をつけ、この曲が生まれました。その後、様々な映画の挿入歌として使用され、1965年にNHKにて「みんなのうた」で紹介されました。
現在は童謡としての印象が強いこの曲ですが、最初は映画の挿入歌だったと思うと、当時としては「歌詞に共感した」みたいな感じで聞かれていたのかもしれませんね。
歌詞について
まず、三木露風の話で「赤とんぼ」は子供の頃の思い出を詩につづったものです。
このことを踏まえて歌詞を読み解いていきます。
一番
夕焼、小焼の、
あかとんぼ、
負われて見たのは、
いつの日か。
最初二行は情景描写ですね。この情景描写から
「○○に背負われて赤とんぼを見たのはいつの日だったか…」
という何かしら作詞者の思い出が垣間見れます。
背負っていた人は誰だったのか、ここのフラグ回収はいつになるのか、ここと次の二番の歌詞を覚えておきましょう。
二番
山の畑の
桑の実を
小かごに摘んだは
まぼろしか
一番に続き、また情景描写から思い出される「とある人との過去」
桑の実、ご存知の通りこんな感じの実です。
マルベリーと言われているこの実。ジャムにしても果実酒としても美味しいですが、かつて養蚕が盛んだった時、各地に植えられており地図記号になるほどでした。
ちゃんこはこの実を小学生の頃に学校の木に生えていたものをたまに食べていたりしました。ちょっと高い塀に登ったりしてやんちゃしてたな。懐かしい。
三番
十五で、姐(ねえ)やは、
嫁にゆき、
お里の、たよりも、
たえはてた。
ここで思い出に「姐や」という存在が出てきました。
この姐やという存在は、作詞者の実の姉ではなく、彼を育てた子守娘のことです。
当時の子守娘は、彼女たちが幼いころから口減らしのために他の家に行ってそこの家の子供をお世話したりしていたと言います。この「姐や」というのも作詞者にとって本当のお姉さんのような存在だったのでしょう。
その「姐や」が15歳になり、彼女の故郷で嫁ぎ、最初のうちは届いていた手紙などが届かなくなってしまったという寂しい思い出。
ここで、最初の一番・二番の歌詞を思い出してほしいんですけど、どちらもこの「姐や」との思い出なんですよね。
ここを知って、改めて一番・二番を聞くと「寂しさ」とか「エモさ」が感じられますよね。完全初見だと、歌詞に鳥肌立って二回目を聞きたくなるタイプの曲です。
四番
夕やけ、小やけの、
赤とんぼ。
とまっているよ、
竿の先。
ここで一番目の歌詞に回帰します。
そして、北海道にいる今、夕焼けと竿の先にとまっている赤とんぼの情景を見て、作詞者は子供の頃の「姐や」との思い出を懐かしんでいます。
ちゃんこ個人的にはここの回帰はとても優しくて大人な雰囲気の情景が思い浮かびます。ここでタイトル回収か、みたいなエモさもあるので個人的に四番が好きで、感情をこめやすいです。
まとめ
歌ってみよう!
さて、ここで一度歌ってみましょう!というのが、授業の流れですが。
とりあえず、歌ってみたくなった!という方のためにピアノ伴奏のみの物を貼っておきます。(楽譜は持っているものをPDFにして乗せてもいいのですが、自作じゃないので載せてもいいかわかりませんごめんなさい(´;ω;`))
こちらの音源、もし使ってみたい方がいれば自作と言わなければ自由に使っていただいてもかまいません。
歌う時のポイント
まず、歌う時は全部の歌詞を一緒にしないように意識してみてください。
解説したように一番から四番まで全て情景が違います。その歌詞を意識するだけで速度に緩急が付くと思いますし、自然と強弱に変化も付きます。
そして、歌詞が伝わらないと歌も聞こえないので、母音よりも子音を意識してみましょう。特にSとかHとか息を伴う子音は非常に聞き取りにくいし、TやK、Rなど舌を使う子音も母音に負けることがあるので気を付けましょう。
これは赤とんぼだけではなく、他の日本歌曲にも言えることです。まずはここを意識して歌ってみると形になるし、面白く感じると思います!
最後に
本来なら音楽的な解説をもっともっとしますが、かなり長くなったので、この回はまず基本的なこと
「歌を知るなら歌詞を知れ!」
という観点から話しました。
ちゃんこは、音楽という敷居を下げて、歌うことや演奏することが苦手で嫌いな方にこそ興味を持ってもらえるようにしたい。という気持ちでやってます!
というのも一番最初に働いた学校がそういう子が多い子たちばかりだったし、学校というのは色んな人が集まるので、歌うのが嫌いな子も沢山いたし恥ずかしいという子も沢山見てきました。
そういう人に対してちゃんこは無理に「歌え!歌わないなら成績下げる!」なんて言いたくないんですよ。
そりゃ、ちゃんと授業を受けてくれる子も可愛いし、印象良いけど、やっぱり「歌うのは苦手だけど、ちゃんこの授業面白いから音楽もちょっと気になってきたかも」という反応の方が嬉しいんです。
そんな気持ちでやっていきますので、「音楽に触れてない!」と思うかもしれませんが、暖かい気持ちで見て欲しい企画ですのでよろしくお願いします!
では今日はこの辺で。
またの投稿でお会いしましょう🙌
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